Les Contes d'Hoffmann @ Met HD Live Viewing
メトライブビューイング第4弾『ホフマン物語』を観てきた。
年明け早々、『トゥーランドット』に始まり『ホフマン物語』 『ばらの騎士』 『カルメン』と怒涛の週替わり連チャンである。
以前のエントリーでも触れたが、当初ホフマンをヴィリャゾン、ミューズをガランチャ、そしてアントニア&ステラをネトレプコという人気実力ともにこれ以上は望めない豪華なキャスト陣で注目された演目だった。
しかし幕をあけてみれば、ゲオルギューのドタキャンの煽りを受けて次々とキャスト変更を余儀なくされ・・・唯一残ったのはネトレプコだけ。。。
さすが今や飛ぶ鳥を落とす勢いのネトレプコさまである、出産後はかなりボリュームアップしてしまったが歌唱力は以前のまま衰えを知らず、むしろ声にしなやかさが加味されまた一段と魅力的なソプラノに成長したのではないかと思う。今秋9月の英国ロイヤルオペラ来日公演での『マノン』が楽しみになってきた。チケット入手できるかな?
一方ヴィリャゾン(T)の降板(咽の不調で長期休養も今年から復帰するようだが)で大役をゲットしたのがジョセフ・カレイヤ(T)である。かれのキャリア初の役だとか。聞けば、このホフマン役は歌唱技術、スタミナ、そして演技力が要求される難役とか、テノール歌手にとって最高に栄誉あるロールらしい。
オペラ歌手がキャリアを積んでステップアップしていくには単に歌が上手いだけではだめ、実力の世界といえどそこには力運をも持ち合せなければならない。なんとも厳しい世界である。
そのジョセフ・カレイヤは、今春4月の新国立劇場『愛の妙薬』でネモリーノ役で来日出演が決まっている。
♪人知れぬ涙♪ アンコールしてくれるかな? 楽しみだ!(これはすでにゲット済^^)
閑話休題
どうしても主役級の歌手陣に聴衆の目、いや耳が注がれがち。 しかし脇役と言えど世界トップレベルの歌手であることは間違いない。 ミューズを演じたケイト・リンゼイ(MS)はマレーネデートリッヒを念頭において役作りをしただけあって、その中性的なキャラを見事に演じた。若さと美形はかなりの強みだ。
そして圧巻は今日がメトデビューという韓国人ソプラノ キャサリン・キムのオランピア(実は人形)だ。人形の機械的な動きに加えて難度C級のアリアを堂々と歌いきった。そんな彼女には今日一番の誰よりも大きなbravo の大喝采を浴びていた。今後注目したい若手ソプラノである。
参考までにオランピアのアリア↓ パトリシア・プティボーンによるもの
最後に演出のことを少し・・・
今シーズンのメトは新演出が多く、ライブビューイングされる9作品のなかでも4作品が新演出によるものだ。このホフマンもそのうちのひとつである。
演出のバートレット・シャーはこのオペラの演出にあたりカフカと1920年代、フェリーニの『8・1/2』にインスパイアされた世界を構築したという。凡人には理解しがたいところもあるが、一幕目オランピアの場面はフェリーニを髣髴させるシュールなタッチが散りばめられていたようにも思える。 総じてオペラというよりブロードウェーっぽくもあり、、、若者迎合は否めない。
by 5-saturn
| 2010-01-25 20:46
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