Dresden
ワーグナーがある時期住んだことがあり、あの森鴎外の作品にも登場する憧れのドレスデンにやってきた。「エルベ川のフィレンツエ」と称されるドレスデンは旧東ドイツの東南部に位置し、中世以降ザクセン王国の首都として栄えた古都である。しかしバロック様式の美しい宮殿、教会は第二次世界大戦の激しい空爆で一瞬のうちに破壊されてしまった。東西ドイツ統一後、聖母教会の再建がはじまり数年前見事に復元した。数年前、その再建の模様をTVドキュメントで見たことがある。そのときから、いつかはドレスデンに行こうと決めていた。終戦後から東西ドイツ統一まで半世紀の間手つかずで放置されていたが1994年に瓦礫の山から、かけらをひとつひとつ拾い上げ、分類し元の場所に戻す気に遠くなるような作業が始まった。それから十数年年月をかけて壮大なジグソーパズルさながらの復元作業を完成させたのである。ドレスデン市民の郷土愛と信仰心の深さに共感し涙がこぼれた。底知れない人間のパワーに感動した!
フラウエン教会(聖母教会)
旧市街ノイマルクト広場に堂々とそびえ立つ聖母教会。
外壁が白黒の模様に見えるのは古い欠片に新しい素材を補っているから。
教会内部
君主の行列(ザクセン王の居城レジデンツ城)
マイセン磁器のタイルで描かれた長さ101mにわたる壮大な壁画である。壁画の裏手には欧州最古の武芸競技場があり、ちょうどレジデンツ城の中庭にあたる。この壁画は空襲から奇跡的に免れ当時のままの姿を見ることができる。
アルテマイスター美術館(ツヴィンガー宮殿内)
ドレスデンでもっとの価値ある美術館といえるアルテマイスターにはヨーロッパ古典絵画の名品が数多く所蔵されている。なかでも一番見たかったのがフェルメールの2作品、「取り持ち女」と「手紙を読む少女」。
世界に30数点しか現存しないといわれるフェルメールの作品がこのドレスデンに2点あるのだ。アルテマイスター、おそるべしである! 「手紙を読む少女」はフェルメール作品にはよく登場する構図だが柔らかい自然光が全体を包み込んで静かな雰囲気を醸し出している。思わず引き返して見てしまうほどこの絵に惹きつけられた。引き返したのはデンハーグで見た「真珠の首飾りの女」以来かも。。。。
ゼンパーオパー(ザクセン州立歌劇場)
ドレスデンで一番来たかった場所がこのゼンパーオパー。 ワーグナーが楽長を務めていた時に「タンホイザー」と「さまよえるオランダ人」が初演されたドイツで有数のオペラハウスである。念願かなってこの夜モーツァルトの「クレメンス王ティトーの慈悲」を特別席で見ることができた。海外はおろか国内でもこんな良い席でオペラを見たことがない私にはまさに至福の時であった、Brava!! このまましばらくここに滞在して毎日でも観ていたい、そんな勢いもドイツ語字幕には参った^^ ドイツでオペラを楽しむにはまずドイツ語からはじめねば^^
by 5-saturn
| 2012-07-17 12:21
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