ドニゼッティの最高傑作
ベルカントオペラの最高傑作、狂乱オペラとしても圧倒的人気を誇る ドニゼッティの「ルチア」を観て来ました。
今公演の「ルチア」は
①新国立劇場14年ぶりの上演目
②東京発の新演出(日本発)
③第3幕『ルチア狂乱の場』でグラス・ハーモニカ(ヴェロフォン)演奏が挿入される
などなど話題満載です。
更に
ポスト ネトレプコとも言われる人気ロシアン ソプラノ、オルガ・ペレチャツコ=マリオッティ(S)がタイトル・ロールを歌うとあってオペラファンの期待は高まるばかり。
あらすじはこちらで
このオペラの最大の見どころ(聴きどころ)は第3幕目、ルチア狂乱の場に尽きます。
ルチアを演じるソプラノには高難度の歌唱力と同時に大胆かつ繊細な演技力も求められます。
過去に見た狂乱の場面セットは
舞台ど真ん中に螺旋階段がある室内でしたが、今回は螺旋階段はありません。
広間ともうひとつ、1幕に出てきたルチアの楽しかった想い出の場所で狂乱の場面が繰り広げられます。
生々しい血まみれの花嫁衣装は定番ですがサロメを彷彿とさせる今演出は新しい試みの様です。
私はそこまでの生々しいリアル感はいらないと思いますが。。。
そして、
ルチア狂乱のアリアが延々20分近くも続くのです。
その間、観客はじっーと固唾を呑んで聴き入っています。長〜いアリアが終わると
割れんばかりの拍手とブラボーの声援が一頻り、数分間続きました❣️
完璧です、素晴らしい!
このアリアを完璧に歌いきれる歌手は
この半世紀を遡っても数えるくらいとか、
カラス、サザーランド、グルヴェローバ、デセイ、ネトレプコ、ダムラウ・・・
錚々たるディーバ達ですね。
私が過去に聴いたことのあるルチアはそのデセイ、ネトレプコ、ダムラウだけですが
ペレチャツコのルチアからはダムラウの繊細かつ柔らかな声質とネトレプコの大胆さ、フェロモンの様なものも感じ取れます。
それからもうひとつ
狂乱の場を盛り上げたもの、グラスハーモニカです。
普通はフルートが担当するところですが、初版忠実にグラスハーモニカで伴奏、今にも消えそうな危うい音色を奏でるグラスハーモニカはルチアの錯乱を音によって表現できました。
ドニゼッティさんも満足している事でしょう。
グラスハーモニカ
wikipediaから拝借しました
ここで
ペレチャツコについて少し
初めてペレチャツコを聴いたのは2009年ロッシーニ・フェスティバルでのオペラ「絹のはしご」のDVDでした。
美声は言うまでもなく、若く美しいビジュアルも兼ね備えたペレチャツコにすっかり目を奪われました。細いネトレプコみたいな。。。
その後2012年ペーザロ・ロッシーニ・フェスティバルオペラ「マチルデ・デ・シャブラン」で、
今や、飛ぶ鳥を落とす勢いのフローレスと共演。彼女をして世界のディーバと言わしめる今日を予感するような素晴らしいタイトルロールでした。
以来、わたしはペレチャツコ ウォッチャーと化しました。
因みに、来シーズン@MET(March.2018)
ペレチャツコの「ランメルモールのルチア」がラインナップされています。
あのグリゴーロとの共演ですぞ!
見逃すわけには行きません。
NY行きはムリなので
是非ともライブビューイングで配信して欲しいわ❣️
最後になりましたが
エドガルド(T)=ルチアの恋人
エンリーコ(B)=ルチアの冷酷な兄
を演じたルチンスキー、ジョルディ、
この二人のベルカント歌手も見事な歌唱でした。
by 5-saturn
| 2017-03-19 11:55
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