映画「ブロークバックマウンテン」を観た
本年度オスカーの作品賞は逃したものの監督賞をはじめ3部門を獲得したことはよくご存知のとおりです。男性間の恋愛、いわゆるゲイをテーマにしているのだけに賛否両論が飛び交い、保守的なアカデミー会員にはなかなか受け入れにくいものだったのかもしれません。
165分に及ぶ長編映画ながら、全篇に流れるのは主人公である2人のカウボーイの苦しくも切ないまでの純粋な愛です。序盤はワイオミング州のブロークバックマウンテンの息を呑むような素晴らしい雄大な景色の中で物語りは進行します。この山の景色がストーリーの軸になっていきます。
イニス(ヒースレジャー)とジャック(ジェイクギレンホール)の2人はブロークバックマウンテンでの羊追いの季節労働者として雇われる。過酷な労働を強いられる中で精神的に肉体的に惹かれ合いながら遂に結ばれます。
やがて山を下りるときが来て、それぞれ結婚し子供ができ家庭を持ち数年が経過するも強い絆で結ばれた2人の愛はどうしても払切れるものではありません。その切ないまでの苦悩、心の繊細な機微を演じきる2人の俳優の演技力は見事なものです。結論はあえて書かないでおきましょう。
2人にとってお互いを愛することは現実生活では得られない自由をも意味し、それはあたかもブロークバックマウンテンの美しい風景に象徴されているようにも。。。。
それは身勝手な愛ともいえますが、これぞ何の打算もなく相手を愛する純愛だと言えるかもしれません。
台湾人である監督自身が受けたであろう差別と偏見を題材にして同性愛のストーリーをここまで格調高いもの仕上げたアン・リーの力量はアカデミー監督賞に十分値するものです。
近年、同性間の恋愛もかなり理解され市民権も得られているようにも思えますが、まだまだ偏見も多く、許されないのが現実ですね。
映画の終盤、心打たれる感動的なシーンの連続に思わず目頭が熱くなりました(ウルウル)
久々にいい映画を観ました。
最後にイニス役のヒースレジャー、今回はオスカーは逃したものの数年前の「Four Feathers」の時と違い、格段の演技を見せてくれました。泣きの元は彼の演技力によるところがおおきいかも・・・
by 5-saturn
| 2006-03-20 21:17
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