ルキノ・ビスコンティ
ずっと前から観たかった映画、ルキノ・ビスコンティの「山猫」がNHK・BSで放映されました。1963年公開から40数年を経て今、イタリア語の完全復刻版として蘇りました。
ビスコンティといえばイタリアの名門貴族出身で独自の美学を貫いた監督としてあまりにも有名です。彼の映画に共通して言えること、撮影に使われる衣装から小道具に至るまで全て高価な本物を使い、映像に重厚さと気品を与えています。且つ映画のストーリーもさることながら得意の映像技を駆使した一級の芸術作品に仕上がっています。ひとつの文化遺産といっても過言ではないでしょう。
1860年、イタリア・シチリアを統治する山猫の紋章で知られる貴族のサリーナ公爵(バート・ランカスター)の元にも時代変革の波が押し寄せてきました。イタリア統一をめざすガリバルディ率いる「赤シャツ隊」がシチリアへ上陸したのです。しかしそんなことには動じる気配もない公爵は一族を引き連れて別荘へ・・・そこで、彼がわが子以上に愛する甥のダンクレディ(アラン・ドロン)が新興成金の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)と恋に落ちてしまう・・・お話としては単にこれだけのことですが、老いゆくもの、没落してゆくものの美学をダンクレディの恋愛を通して、延々186分の一大叙事詩として描かれたまさに圧巻といえる作品です。物語の終盤サリーナ公爵の「山猫は、山犬でも狼にでも変わりうるのだ」というセリフがとても印象的でした。
30分にも及ぶ舞踏会の場面は衣装、調度品、見るもの全てが豪華絢爛、もうため息しかでません。いまやCG合成作品に慣れてしまった私たちですが、40年前の作品でありながらもなにか新鮮な感じさえおぼえます。映画の真髄を見せてもらいました。
それにしても20代のアラン・ドロンの美しさたるや、さすがにウットリものですね。こりゃあ、ジョニー・ディップも敵わないな。。。
by 5-saturn
| 2006-03-25 22:15
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