「東京タワー」を読んだ
友達が「涙もののいい本だから是非読んで・・・」といって貸してくれた「東京タワー・オカンとボクと時々オトン」を一気に読みました。
やられました!とても人前では読めないくらい涙が溢れて後半はもう泣きっぱなし状態です。
久しぶりに心を揺さぶられる小説に出会いました。なるほど、200万部超のベストセラーというのも頷けます。これまでリリーフランキーって「どこの何者?フランキー堺の親戚?笑」くらいの認識にすぎなかったけれど、すっかり見直しました。
簡単に言うと、筑豊の炭鉱町出身の著者と母親(オカン)と時々父親(オトン)との40年亘る親子関係をおばあちゃんをはじめ家族を絡めながら綴った自叙伝です。
3歳の時に両親が別居、母子家庭という逆境にもめげることなく明るく強く生きる著者と世話好きで優しいオカンの姿が巧みに描写されています。小説が進むにつれて、子であり息子を持つ母である私自身と重なり、いろんな感情が波のように襲ってきます。
母子家庭であるゆえに母子間はより濃密なのものであったかもしれないけれど、底に流れる親子の愛情、なかんずく親が子に注ぐ「無償の愛」は絶対普遍なものだということが手に取るように読み取れます。
TVドラマや映画化されているようですが、どこまで感動が伝わるかしら?
<気に入ったフレーズ・本文引用>
母親というのは無欲なものですわが子がどんなに偉くなるよりも
どんなにお金持ちになるよりも毎日元気でいてくれることを
心の底から願います。どんなに高価な贈り物より
わが子の優しいひとことで十分すぎるほど幸せになれる
母親というものは実に本当に無欲なものです。
だから母親を泣かすのはこの世で一番いけないことなのです
人間が生まれて、一番最初に知る親子という人間関係。それ以上のなにかを信じ、世に巣立ってゆくけれど、結局、生まれて初めて知ったもの、あらかじめ、そこに当たり前のようにあったものこそ、唯一、力強く、翻ることのない関係だったのだと、心に棘刺した後にようやくわかる。
どれだけ親孝行をしてあげたとしても、いずれ、きっと後悔するでしょう。
あぁ、あれも、これも、してあげればよかったと。
by 5-saturn
| 2007-01-12 21:22
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