映画 『Mao's Last Dancer』
邦題「小さな村の小さなダンサー」を観た。
この作品はオーストラリアでベストセラーとなったリー・ツーシンの自伝小説を映画化したもので作者のリー役は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、ツアォ・チーが好演した。
あたかもバレエの公演でも観ているかのように、素晴らしいバレエシーンが劇中で繰り広げられ、それはそれは感動的なバレエシーンの連続である。得意の「グランジュテ」bravo!
作者リー・ツーシンは文化大革命が始まる5年前1961年、中国山東省の貧しい村に生まれた。村の小学校にバレエの英才を探すための視察団が訪れ、身体能力を買われて北京舞踏学院に入学した。当時北京舞踏学院長は毛沢東夫人、あの江青だった。タイトル「mao's Last Dancer」の由来はここにある。
厳しいトレーニングの日々に幾度も挫折しそうになるが、ある時ソ連の名ダンサー、バリシニコフのビデオを見てからというもの一気にバレエへの思いが彼のなかで確固たるものになって行く。
18才の青年に成長したリーは3ヵ月の米国留学を命じられる。米国に降り立つと初めて見る近代的な街、ビル群、車の多さ、自由な気風に大きなカルチャーショックを受ける。
当時のことを「米国はイメージと全く逆だった。一番幸せな国は中国だという毛沢東の教育が間違いだと気づいた。最終的に自分の目で見たものを信じようと決めました」回想している。
その後米国人ダンサーと結婚して亡命した。(現在はオーストラリアに暮らしている)
あれから29年が経ち、経済的の面ではアメリカに追いつき追い抜かんばかりの勢いで成長し続けている。おそらく今では中国の若者が米国を訪れてもほとんど違和感はないだろう。しかし中国が共産主義であるかぎりそこには真の「自由」はないのだ。
この数十年間中国の変化の激しさをあらためて感じた一本だった。
by 5-saturn
| 2010-09-19 22:24
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