映画「ユナイテッド93」を観た
米国史上最大の悪夢「9.11同時多発テロ」からまもなく5年。いずれこの事件の映画化はあるだろうと思ってはいたけれど意外と早かったなぁ。卑劣なテロを風化させてはならないとの強い思いから、ひとつの区切りである5年目のこの時が選ばれたのでしょうか。今秋には映画「ワールド・トレードセンター」も公開されます。
2001年9月11日、4機の民間機がハイジャックされた。2機はワールド・トレード・センター、1機はペンタゴンに激突したが、残りの1機は目的を果たすことなくペンシルベニア郊外に墜落しました。
これがユナイテッド93便だったのです。
本編はユナイテッド93便の搭乗から墜落までを終始一貫ドキュメンタリー手法で描かれてあり、緊張感が延々持続します。後半から終盤にかけて、地獄と化した戦慄の機内で死に直面した人間の様が巧みなカメラワークと共に圧倒的な迫力でせまってきます。結末が分かっているだけにあまりにも切なく、悲しい。
墜落したこの飛行機には生存者はいませんでした。この脚本を作るにあたって唯一頼りはボイスレコーダーだけのはず、そのわりには機内の乗客、テロリストの様子がこと細かく描かれていることにやや疑問も残りますが、乗員・乗客が絶望の淵に立たされながらも最後の最後まで一縷の望みを懸けてテロリストに立ち向かったであろうことが、残された家族への救い、慰めになったのではないでしょうか。
そしてこの映画には有名俳優は誰ひとりとして出演していません。過剰な演出や思想、感情を極力排したドキュメンタリー風に作られています。これには賛否あるようですが、私はこれでよかったと思っています。むしろこの方が緊迫感、リアル感、がより一層効果的に伝わるような気がするのです。
秋に公開されるもう一方の映画「ワールド・トレードセンター」、こちらには俳優ニコラスケイジが主演しテロの惨劇から奇跡の生還を果たした実録ドラマとして描いているらしい。「ユナイテッド93」とは対照的な描き方のこちらも また楽しみな一本です。
by 5-saturn
| 2006-08-31 20:51
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