天網恢恢疎而不漏(てんもうかいかいそにしてもらさず)
27年前ロス疑惑で世間を騒がせた三浦和義が旅行先のサイパンで逮捕された。
この一報を聞いて多くの日本人は「三浦事件はもう終わっているのに、なにを今さら・・・」と思ったに違いない、私もそう・・・。実は米国ではまだ捜査継続中だったらしい。
まず、今回の出来事で分かったのが、米国ではこの手の第一級殺人事件には時効がない事、そしてそんな迷宮入り事件をしつこく追及している警察組織(コールド・ケース)があるということです。そういえば「コールドケース」という米のTVドラマがありましたね。
日本では、長期間にわたる捜査は様々な負担を強いる上に何より誤認、冤罪を引き起こしかねないので時効制度があります。しかし、よくよく考えると、少なくとも凶悪、殺人事件に時効があるなんて、あり得ないことですよね!
多分この時効という考え方は「水に流す」という日本特有の「神道」の考え方から発するものではないかと思われますが、「時間が経過すれば罪はなくなる」という考えはあまり納得できません。
昔読んだ菊池寛の小説「恩讐の彼方に」で、親の敵と一緒に洞窟を掘るうちにすっかり気ごころが通じ合い、最後はあらゆる恨みを忘れ去る事になっており、日本では美談として扱われている。
{ 念のため、これが大分県にある有名なあの「青の洞門」です。「青の洞窟」と間違えなきやうに!(笑)}
「謝れば許す」、「時間が経過すれば恨みも薄らぎ消え去る」のが日本人なのです。
ところが、世界に目を転じると「許すが、絶対に忘れない」のがごく当たり前のこと。
先の大戦で中国、韓国に対して日本が行ったとされる事件に対し、「日本が謝ったから許すが、未来永劫絶対に忘れない」というのが彼らのスタンスです。
日、中、韓の間に長年尾を引く靖国参拝問題もこのあたりの考え方の相違に起因するのでしょう。
今回の三浦逮捕劇も日本的な解決方法が世界には通用しないことの証しだと思う。
これで有罪になればまさに老子の言葉どおり「天網恢恢疎而不漏」ですね。
by 5-saturn
| 2008-02-28 09:58
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